対談「警備業界こうあるべき!」

同じ悩みを抱える全国の中小警備会社の経営者の皆様に向け、「警備業界こうあるべき!」をテーマに定期的に対談形式で、共感していただけるような読み物的コンテンツとして定期的に発信していきます。

 

■第1回ゲスト:有限会社アシスト 代表取締役 有木 雄一様

警備中小企業経営者のみなさまに新しい時代の管理システムをご提案するソフト「i-system」。このソフト制作の裏側とギュッと詰め込んだ考えを、現在使用して頂いているシナジーコミュニケーションズ代表取締役・樽本陽輔と「i-system」の仕様についてアドバイスも頂いたアシスト代表取締役有木雄一との対談でお届けします。

今は別々の会社の代表同士ですが、元々の出身の会社が同じということで、思いは様々だったようです。

「足りないピースが共通している」

有木  僕のやることが認めることができないなら、僕を支社長から降ろしてください って言ったの覚えてる?

 

樽本  覚えてますよ。あのとき若かったですね…。

 

有木  生意気な奴だなぁって思ったんだよな。でも、骨のある奴だとは思っていたけど。樽本くんが先に会社を辞めて自分で会社やり始めて、俺もそのあと辞めて、事業エリアが違うからケンカにならず今こうやって話しができる。

 

樽本  縁はありがたいと思っていますよ。でも、交通誘導の警備業界って随分苦しいです。公共事業も減ってきている中で、ガードマンの積算単価が8000円くらいでしょ。そりぁまともに受注とりにいっても渋られますよ。

 

有木  もちろん辛い世界だけどね。

 

樽本  有木さんは大手小売店と一緒に仕事してるから、余裕が全然違いますよ。地方の土建業者は資金繰り厳しいですからね。

 

有木  都市部でも厳しいよ。でも、大手と付き合うと大手の社長にあえる。それは勉強になるけどね。

 

樽本   成功している社長にあえるって幸せですよ。大企業の経営を見てきた有木さんは中小企業の社長に会って感じたと思うんですけどね、僕ら中小企業の社長って大企業の経営を知らないんですよ。中小企業の社長と話して、違うなーとか知らないんだな、もったいないなって感じたことないですか?

 

有木   あるよね。大手ってね、自社をどう表現するか、売り場を含めて自分たちをどう表現するか、日々その格闘なんだよね。どう見せるかっていう活動が経営の重要なテーマになっていて、だから企業表現が上手い人たちと付き合ってるわけ表現する人たちが経営のすぐそばにいる

「受け止めきれないパラダイムチェンジ」

樽本   すぐそばに、いないですね。中小企業の社長のそばには。 企業表現の部分が弱いと同時に、ソフトのパワーを知らないっていうのもあると思いま す。形あるものに金は払うけど、形がないものに金は払いにくい。そういう発想があって。昔ね、パソコンが世の中に普及し始めたときに中小企業の経営者は、ハードが100万するのはわかるけど、ソフトが何十万もするのはなんでなんだと。1人ガードマン働いてようやく何百円の利益っていう商売をしてきた経営者からすると、違和感があるんだと思うんですよ。弱いと同時に、受け入れられない壁があるんですよね。

 

有木  そりゃ自分だってあるよ。でも経営者の全体が徐々に気づいてきていると思うよ。

 

樽本  そうですかね?

 

有木  でもね、感情の問題だけではなくて、中小企業独特の資金面の問題も大きい。ソフトウェアに何百万もリース組んで、5年後を考えて返済していくとか、かなりの冒険なわけだよ。5年後なんて、これだけ変化の速い時代に読み切れるわけがない。公共事業がなくなれば事業撤退を検討しなきゃいけない企業はたくさんある。

 

樽本  なるほど。むしろ建設業界でリース組ませてもらえない企業も珍しくもないですからね。警備業界だって例外じゃないですね。先ほど言われましたけが確かに読み切れない時代ですけど、いくつかは読めることってありますよ。

 

有木  多分5年後にまだ手計算で給料、請求出している警備会社とかはもうないね。

 

樽本  ええ、多分ですが僕もそう思います。

 

有木  うちもこの間までそうだったんだけど、指令室員が夜中まで頑張って請求書をエクセルで作って、日報チェックして、また別データから給与計算して、日報チェックしての繰り返し。毎月月初は23時まで残業してた。優秀なスタッフだから任せられるけど、これに巡察指導と契約書関係も合わせて対応することになる。

 

樽本  これ、厳しいんですよね。だいたい中小の警備会社って内勤者少ないじゃないですか。利益構造からみても、どこも似たり寄ったりなんですよ。200名~300名でも出していれば多少余裕もあるんでしょうけどそこまでいかない企業もまだ多い。それに(新任・現任)教育もあるし、簿冊整理もあるし。有望な若手は見向きしないんですよね。あまりに雑多に仕事が多くて。システムがやることを人がしている会社がまだまだ多いです。

 

有木  PCに任せられることは全部PCに任せないと。事務員さんいたって全建統一書式の作業員名簿とかすぐつくってとか難しい。だから夜中にスタッフがめんどくさいといって呪いの言葉を吐きながら作業する(笑)

「人の犠牲で成り立つ時代の終焉」

樽本  ○○の現場の出づらを作業開始日から全部教えて、とか現場監督から言われたら仕事止まりますからね。「i-system」を導入してもらう必要があったのはその辺りからなんです。でも、みんな長時間労働に慣れてるから変われないし、ITなんて自信がなかったんですよ。

 

有木  正直オレもないよ。日本の社長なんてIT世代じゃない人のほうが絶対的に多い。大手じゃないからそういったブレーンもすぐそばにいるわけじゃないし。でもいつまでも従業員に長時間残業を常時やらせると、昼間中だるみする時間も出てくる。夜も長いし、極力ムダな体力を使わず昼寝しておくみたいな感じ。閉塞感が出てくるから、緊張感もへるし向上心を前面には出さなくなるし、自然とムダな残業代も増えてくるんだよね。だからこういった人の犠牲で成り立つ管制の時代は終焉に向かうべきなんだよね。だからシステムはいるんだよ。

 

樽本  経営者としてね、後ろめたいんですよね。長時間残業をずっとさせるのって。経営者として社外に出なきゃいけないこともたくさんあるけど、従業員からみれば「社長は外で飲んでるんだろ。」的な感覚ってゼロじゃないんですよ、きっと。忙しそうな日はそれがバンバン伝わってくる。有木さんは残業代支払ってるからまだいい方ですよ。残業代を一切もらえない名ばかり管理者もすごく多いはずなんです。

 

有木  多分ね、この業界でも相当数いると思うよ。

 

樽本  だから合理化して、人がやるべきところに人のすべての力を集中投下して、会社に正しい骨格を形成していくことがすごく重要なんだと思います。「i-system」が中小企業にフューチャーしたのはこのシステムが一番活かされるフィールドが中小零細企業とともに歩むことだったんだと思います。

 

有木  みんな売上に変化がないから、今までのやり方に甘んじてるけど、気づいてる人が増えたからここら辺から劇的に変わってくね。ハードもソフトも安くなったし自然とそうなると思うよ。